対立を乗り越え、部署間の連携を加速させる交渉術── 誰もがWIN-WINになる調整力とは
職場の衝突を成長に変える! 有機的コミュニケーションの力
多くの企業や職場で日常的に発生する意見の食い違いや部門間の衝突。これらは単なる「行き違い」で片付けられない、組織の生産性や従業員のエンゲージメントを低下させる深刻な課題です。
こうした目に見えない「コミュニケーション・コスト」は、会議の長期化、プロジェクトの遅延、再作業の発生といった形で、確実に運営していく上での足かせとなります。
あなたのチームは、今、本当に円滑に機能していると言えるでしょうか? 規模の大小に関わらず、組織内のコミュニケーションには常に固有の難しさが伴うものです。
なぜ組織内コミュニケーションは難しいのか?
これまで色々と関わってきた中で見えてきた、組織内コミュニケーションの難しさは多岐にわたります。
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部署内外、幹部や部下との複雑な調整と交渉: 組織は多様な立場や役割を持つ人々の集合体です。それぞれの視点や目標が異なるため、一つの事柄を進めるにも、多くの関係者との細やかな調整や粘り強い交渉が不可欠となります。
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職場内部における利害の対立の激化: 現代のビジネス環境は変化が激しく、限られたリソースの中で成果を出すことが求められます。これにより、部署間、あるいは個人間での利害対立が表面化しやすくなります。時には、それが組織全体の足かせとなることも少なくありません。
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情勢の急激な変化と複雑化: 経済状況や市場の変化、テクノロジーの進化など、外部環境の急激な変化は、組織内の目標や戦略にも影響を与えます。これが新たなコンフリクトを生み出し、場合によっては「一斉退職」といった深刻な事態につながるリスクさえあります。
職場の「コンフリクト」は避けられない?
現場において、コンフリクト(衝突・対立)はつきものだと言われます。仲良しこよしの職場ばかりではない、というのも事実でしょう。
では、なぜこのような衝突が生まれるのでしょうか? その主な原因は以下の点に集約されます。
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目標の不一致: そもそも部署や個人間で目指している方向性や目標が異なっているケースです。全体最適ではなく、部分最適に陥りがちです。
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事実の解釈をめぐる相違: 同じ情報に触れていても、その解釈や捉え方が異なることで生じる誤解です。「言った」「言わない」といった水掛け論は、まさにこの典型と言えるでしょう。
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期待する行動に関する食い違い: 相手に期待する役割や行動が、認識と異なっている場合に生じる齟齬です。
これらの多くの場合は、**意思疎通の不足(ミスコミュニケーション・ディスコミュニケーション)**が原因となり、様々な誤解や勘違いを生んでいます。
しかし、頭では「コミュニケーションが大事」と分かっていても、実際にそれを実行することは決して簡単ではありません。
特に、組織に深く根付く「セクショナリズム」や「専門職意識」は、本来協力し合うべき部門間の壁を高くし、「それはウチの仕事じゃない」「誰かがやるだろう」といった他人事のような態度を生み出しがちです。これにより、知らず知らずのうちにプロジェクトや組織目標へのコミットメントが欠如し、本来のパフォーマンスを発揮できない状況に陥ってしまうのです。
だからこそ、相手の立場を理解し、自身の意図を正確に伝え、互いに納得できる着地点を見つけるには、単なる会話以上の**具体的な「調整力」と「交渉力」**が求められます。
そうした、いわば有機的なコミュニケーション技術に焦点を当て、職場の衝突を乗り越え、関係性を円滑にするための実践的なヒントをお届けしてまいります!