理学療法士資格を取得し、臨床に出てから20数年、一貫して介護老人保健施設、そして近年ですと訪問の分野でリハビリテーションを提供してまいりました。...
医療現場もオーセンティック・リーダーの時代へ
この4年にも及ぶコロナ、そして年始には能登半島地震・・
こんな先行きの見えない、予測不可能なご時世だからこそ、「本物の」リーダーが求められてるのかもしれません。
医療現場において今、“オーセンティック・リーダーシップ”というあり方がますます重要視されています。
これは、医療の現場が日々直面する複雑で多様な課題に対処するために、リーダーが持つべき資質として注目されています。
医療従事者は、患者の命を預かるという重大な責任を負っており、そのためには信頼性と誠実性が不可欠です。オーセンティック・リーダーシップは、こうした責任を果たすための基盤となるのです。
オーセンティックとは、Authentic:本物の,確実な,真正の という意味で、
オーセンティックリーダーとは、自己を深く理解し、自分の価値観や信念に正直になりながら、“自分らしさ”を大事に能力を発揮するリーダーシップ、他者との関係を築くリーダーのことを指します。
彼らは、自分の内面をしっかりと見つめ、自己の強みと弱みを認識し、それを活かして他者と協力し合うことができるのです。
これにより、チーム全体のパフォーマンスを向上させ、患者に対してより良いケアを提供することが可能になります。
リーダーが自分自身を知り、他者との関係を構築し、信頼を築く上で真実性や誠実性を重視するリーダーシップスタイル。
こういったタイプのリーダーシップは、医療現場において特に重要です。
以下に、体現していく上で重要なポイントをご紹介いたします。
まず、信頼構築:
医療環境では、患者やチームメンバーとの信頼が不可欠です。オーセンティックリーダーは、自分自身を知り、誠実な態度で接することで信頼を築き、患者やチームのメンバーがリーダーに対して安心感を抱くことが期待されます。
次に、倫理的なリーダーシップ:
医療分野では時に倫理的な問題が発生することがあります。オーセンティックリーダーは自らの価値観や倫理的な原則に基づいて行動し、他者にも同様の倫理規範を尊重する姿勢を示します。
病院や医療機関は、患者の命と健康に関わる非常に重要な場所です。当然ながら信頼性や誠実さが求められます。
このタイプのリーダーは、自分自身の信念や価値観に基づいて行動することで、他者に対して誠実さを示すことができる訳です。
また、オーセンティックリーダーは、自己を深く理解しているため、他者との関係を築くことにも長けています。
医療現場では、複数の職種や専門性の異なる人々が協力して業務を遂行する必要があります。
そこで大事になるのが、共感とコミュニケーション:
患者やチームメンバーとのコミュニケーションにおいて、オーセンティックリーダーは「共感」を大切にします。自らの感情を適切に表現し、他者の感情に敏感に対応することで、コミュニケーションの質を向上させます。
そして、ストレスへの対応:
医療現場は言わずもがな高いストレスがかかる環境であり、オーセンティックリーダーは自らのストレス管理能力を向上させ、チームメンバーがストレスに適切に対処できるようサポートします。ゆえに、他者への目配りを忘れていません。
オーセンティックリーダーは、他者の意見や価値観を尊重し、協調性を持ってチームをまとめることができます。
共同作業と協力:チーム医療が重要視される中、オーセンティックリーダーは協力的な環境を築きます。自分の弱点や課題を正直に認め、チームメンバーと協力して問題解決に取り組む姿勢が大切です。つまり、他のメンバーが持つ固有の強みを積極的に生かそうとするのです。
最後に、オーセンティックリーダーは、自己啓発を常に意識しています。
自己向上と成長:オーセンティックリーダーは自らを知り、向上心を持って自己成長を促進します。これにより、医療の進化や変化に適応し、より質の高いケアを提供する能力が向上します。
医療の世界は常に進歩しており、新たな知識や技術が日々生まれています。当然ながら、自己啓発を通じて自らの専門性を高めることで、より良い医療サービスを提供することができます。
医療におけるオーセンティックリーダーの時代が訪れることで、より信頼性のある医療サービスが提供されることが期待されます。
オーセンティックリーダーシップが医療分野で重要とされるのは、患者の安全性やチームの協力、組織の健全な機能を確保する上で、信頼性と倫理的なリーダーシップが不可欠だからです。
そして、医療の現場では、迅速な意思決定や緊急対応が求められることが多く、リーダーが信頼される存在であることが、チームの結束力を高め、患者の安全を守るために不可欠です。
オーセンティックリーダーは、こうした環境でこそ、その真価を発揮し、医療の質を向上させることができるのです。
患者も、自分の命と健康を託す医療現場において、まさにこういった存在を求めています。
この変化著しく、人の感情も不安定な環境下で、より内面であったり、機微を感じられることが、新たなリーダーとしての必須条件かもしれません。
医療従事者は、今後ますます、自己を深く理解し他者との関係を築きながら、常に自己啓発を続けることで、自分らしい「オーセンティックリーダー」としての力を高めていくべきですね!